足の状態から基礎疾患の発見も
フットケアとは。
足を見ることで、何らかの体の異常を見つけることができます。中でも循環器と整形外科の分野で疾患が見つかることが多いです。糖尿病の方は足に感染症や皮膚潰瘍を起こすことがありますが、血流が悪いため自然に治癒できません。
さらに神経障害で傷ができていても気付けない場合も多いです。また変形性膝関節症で、無意識に膝をかばいながら歩くことで、足が変形していることがあります。逆に足の異常が原因で他の疾患を発症することもあります。近年、靴を履く時間が長くなり、水虫を発症する人が増えました。膝に人工関節を入れる際、水虫で皮膚が弱っていると、雑菌が入って合併症を引き起こす可能性があります。フットケアで疾患そのものを完治させることはできませんが、足の状態を見ることが基礎疾患の発見につながり、適切な治療を行う指針となります。
形成外科 内田 敦子先生
日頃の注意点は。
加齢とともに腰や膝の痛みで、足を見るのが億劫だと感じられるかもしれないですが、毎日チェックするよう心掛けてください。靴を脱いだ時に指がくっついている、指の上に指が重なっている、外反母趾で指を圧迫している状態は良くありません。自分の足に合った靴を履き、指の底で地面を蹴って歩くことが大切です。
足を清潔に保つには。
毎日同じ靴を履くのは避けましょう。靴の中がむれてカビが発生する原因になります。また長時間ストッキングを履くのも良くありません。足の指や爪はフェイスブラシで洗い、よく乾かしてください。爪を切る時は丸く切るのではなく、角を残したまま四角くなるよう整えるようにしましょう。些細なことでも気になることがあれば形成外科で相談してください。